協会JSSAファンド設立について

 私の3年間の支援活動を振り返り、残念に感じるのはファーストファイナンスでの資本政策の失敗の多さです。一番多いのは共同創業者間で創業者間契約をしないで株式を均等割して資金調達をしたケースです。会員でもシード期に資産管理会社の設立をしていなくて間に合わないケース、婚前契約書の締結していなかったので離婚で株式が分散したケース、シード期にオーバーバリューで資金調達をしてしまい、その後期待以上の成果が出ずシリーズAやBに進めないケースも多いです。その他悲惨なケースが多数ありました。

 資本政策は後戻り出来ません。いくら経営チームが優秀で良質なメンタリングやマッチングを協会が提供してもCEOが事業コントロールができないのであればIPOは困難です。また地方に住むスタートアップや中年層のスタートアップ、女性起業家で散見されますが、シード期の資金調達時にネットワークやスキルがなく必要以上に時間を奪われトップラインを伸ばせなくなるケースです。      

 また現状メンターの立場でスタートアップを支援している中で、特に資本政策においては「発言力では株主には勝てない」もどかしさを感じることも多く、投資家のミスリードでオーバーバリューや契約内容で苦しんでいるスタートアップ多数います。この深刻な事態を今後少しでも減らすためにも協会でファンド組成して優秀なスタートアップに初期投資する必要性を感じました。これで資本政策や税務リスクのアドバイスが確実に実行され、フェアバリューと縛りすぎない契約内容、健全な資本政策により次回のラウンドに有利に働き、資金調達がスムーズに行えるリアリティのあるエクイティストーリーが描けます。

 次に顧問やスポンサーがLPになることで良質なエンジェルネットワークが形成され、投資家コミュニティ内での情報共有も可能になります。ここではLPの投資機会の最大化と効率化を図り、日本のベンチャー投資の底上げを実現します。

 このファンドで日本最強クラスのエンジェルネットワークを構築し、マーケティングにより優秀なスタートアップが日本中から集まるファンドになることを目指します。そしてエンジェル投資の社会的認知や日本のベンチャー投資の活性化につなげ、投資リターンという経済性と協会という社会性を両立させながら永続的に社会のために貢献していきたいと考えます。