代表理事からのメッセージ

私は東証マザーズ上場企業の夢展望株式会社(2013年マザーズ上場)の創業者です。2015年に実質バイアウトしたのち、2016年7月にベンチャーエコシステムを構築するために、上場企業の創業経営者仲間20名やスポンサーの協力を得てこの協会を設立しました。この協会を通じて私の上場前後の多くの失敗体験の継承を行い、反面教師として次の世代の起業家が同じ轍を踏まないように全力で支援しています。「うまくいかないときにどう考えたのか、どう切り抜けることができたのか」などの打ち手を伝えています。会員の皆さん全員にIPOやM&Aの興奮を味わってもらいたいと思います。

私のビジョンは30数年の間に川上から川下まですべてを経験したバランス力を活かしながら日本に良質なベンチャーエコシステムとコミュニティを構築することです。そして良質で治安のよいインナーサークルの中で「人と人をつなげて価値を生むこと」により、循環的なベンチャーエコシステムが継続的に再生産され、社会的影響力のあるIPO支援のプラットフォームになることを目的とします。

 

起業家の悩みは主に6つあります。

①孤立していてIPOやM&A実現のための事業戦略や経営課題の壁打ち相手がいない。

②資産管理会社や生前贈与など税務・財務・法務に関する知識が不足している。

③本当の資本政策や資金調達、M&A、アライアンスの知識やスキルが習得できない。

④人材採用力や販路拡大、資金調達に必要なネットワーク力が足りない

⑤予算設定、KPI管理、人事評価制度、チームビルディングなど内部管理体制のマネジメントがわからない。

⑥耳の痛い不都合な真実、リストラ、内紛、問題役員の処遇、退職社員とのトラブルの対処法教えてくれる人がいない。

 

私はこのような悩みを早期に解決できるように過去12回のピボット経験と、3回の直前期を経て8年がかりで上場を果たしたにがい経験を会員にリアルに伝え、話を聞き、長所短所を把握しメンタリングを通じて支援を行います。日本はシリコンバレーとは違い失敗を前向きに評価し許容する文化がまだ根付いてなく一度大きな失敗をすると再起するのが困難です。IPOも並大抵のことではありません。起業家はそのプレッシャーや経験の浅い同じステージの経営者仲間からのアドバイスでミスリードされたり、一人で孤立して悶々と悩み多くの時間とコストをロスして心が折れ逃げ出してしまうことが多々あります。私はIPOを目指す過程で苦しい時に悩みを相談して、もっとも適切なアドバイスができるのは、修羅場をくぐった上場企業の創業者=メンターやエンジェルだと考えます。彼らがメンタリングによりビジネスモデルの成長エンジンを見つけ、火をつけて加速させます。日本のスタートアップにはアメリカと比べも、メンターやエンジェルの数が絶対的に少ないので、彼らも育成できる仕組みを構築することが今の日本のスタートアップエコシステムに不可欠だと考えました。この協会は起業家とメンター、エンジェルを支援育成する目的で2016年7月に設立され、これまでで上場企業の創業経営者50名以上がメンター顧問として集まる日本で唯一無二の協会に成長しています。

  

2019年5月1日に協会をGPとしたJSSAファンドを設立しました1社あたり数千万円規模でシードからレイターまでを投資対象とします。IPOやM&AでEXITした先輩起業家が中心にLPになり、投資先をハンズオンします。ファンドの設立目的は下記の5つの課題解決になります。

①初期の資本政策の失敗
②地方・ミドル・女性起業家のシード資金調達の長期化

③オーバーバリューによる次回ラウンドの調達失敗
④顧問のエンジェル投資の失敗

⑤低水準な日本のベンチャー投資額の底上げ。

 

優秀な会員ほど資金ショートが心配で資金調達のために多くの時間を使い過ぎ、トップラインの伸びの鈍化や内部組織の混乱が起きやすいようです。そこで協会ファンドは複数の外部専門家による人物評価や事業評価を重視した投資意思決定を短期で行い、他の出資者や銀行融資の呼び水になり資金調達が円滑になればと考えます。